2-3 代理制度

ビジネス実務法務検定3級
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2-3 代理制度

①代理

契約するにあたって、本人ではなく代理人が手続する場合があります
今回は代理制度や規制についてしっかりおさえていきましょう

(1)代理とは

たとえば、AさんがBさん所有の建物とその敷地内の土地をBさんから買いたいときに
Cさんに購入の手続きを代わりにしてもらい
売買契約の効果はAB間で発生するということができる
この場合、買主Aさんを本人、Bさんを相手方、Cさんを代理人という
代理人CはBさんに対して
「Aさんの代理人である」
旨を告げる必要がある
契約が成立すれば、AはB所有の建物と土地の所有権を取得し
Bに対して代金の支払い義務が生じる

②代理成立の要件

(1)代理権を与える方法

①任意代理

本人が代理人となる者に代理行為を頼む場合。
口頭でもよいが、委任状を交付することが多い

②法定代理


法律上、代理人となることが決められている場合。
例)未成年の親権者 等

(2)顕名

代理人は自分が当事者でなく、自分以外の者(本人)の代理人としての意思表示であることを相手方に明らかにする必要がある
①-(1)の例では、CさんがBさんに対して
「AさんがB所有の建物と土地を買いたがっているので
自分が代理人として契約したい」と相手に伝えることが必要で、これを顕名という
これに対して、CさんがBさんに対してAさんのために建物と土地を買うことを表現しないで売買契約を結んだ場合
原則として、Cさんのために行われた売買契約とみなされる
しかしCさんが商人の場合、Aさんのためにすることを示さなくても、代理契約が成立する

(3)有効な契約が行われていること

上記の例では、BとC間で、建物と土地の有効な売買契約が行われていることが必要
そもそもの契約が無効の場合は、もちろん代理権を使用した契約も無効となる

③代理権がない者の代理行為

(1)無権代理

①無権代理とは


無権代理とは、代理権がないのに代理人と称して相手方と代理行為をすること
本人にその法律効果は帰属しない
例)本人であるAさんから頼まれてもいないのに、Cさんが勝手に「Aさんの代理人である」と称して
Bさん所有の建物と敷地(土地)の売買契約を結ぶ、等
BC間の売買契約の効果はAさんに及ばない

Cさんが勝手に嘘をついただけなので
Aさんは無関係、責任は負わなくて大丈夫

②追認

追認とは本人が代理人の行為を後で認めることで、追認すると契約の時にさかのぼって有効になる
①の例では、AさんがBC間の売買契約を認めると売買契約の時から有効になる

③相手方の保護
1.相手方の催告権

相手方(Bさん)の善意・悪意にかかわらず、相手方は本人に対して、相当の期間を定めて無権代理人の行為を追認するか否かを催告することができる
本人から期間内に回答をしないときは、追認を拒絶したものとみなされる

2.相手方の取消権

相手方(Bさん)が無権代理について代理権がないことを知らないときは
無権代理人の行為を取り消すことができる

3.無権代理人の責任

相手方(Bさん)が無権代理について善意で過失もない場合は
無権代理人(Cさん)に対して当該契約の履行か損害賠償のいずれかを請求することができる
ただし無権代理人が行為能力を有しないとき
または2.の取消権を行使したときは請求できない

(2)表見代理(相手方の善意無過失が必要)

①表見代理とは

表見代理とは、相手方から代理人を見て、代理権があるように見えるとき
その外観を過失なく信頼した相手方を保護する必要があり、一定の要件のもと、認められる
表見代理に該当すると代理権がなくとも代理権があったのと同様に本人に効果が帰属する

それならAさんが損するのでは?
でも表見代理は以下の種類に該当した時のみ適用されるのです

②種類
1.代理権を他人に与えた旨を表示した場合

代理権を与えていないのに、相手方に対して他人に代理権を与えたと表示したとき
代理人とされた者が売買などの代理行為をした場合、相手方の善意無過失が要件となる
たとえば、AがCに代理権を与えていないにもかかわらず
Cに土地売却の委任状を交付する場合で、Cが善意無過失のときです

2.代理人が権限外の行為をしたときで、相手方が善意無過失のとき

代理人がもともとの代理権の範囲を超えた行為をしたとき
たとえば、賃貸契約の代理権を与えられていたにも関わらず
Bさんが売買契約の代理権だと勘違い(善意無過失)して代理行為をしてしまった場合

3.代理権消滅後の行為で、相手方が善意無過失のとき

代理権が消滅したにもかかわらず、代理行為をおこなったとき

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